会社設立後の郵便局への届出|本店あての郵便物を受け取るための転居届(開業)の出し方と本人確認
この記事の窓口順(目次)8項目
この記事は、こんな方に向けて書いています
登記が終わり、自宅や借りた事務所を本店にした会社の代表者に向けた記事です。「会社名あての郵便物が、今の住所でちゃんと受け取れるのか」「郵便局に何か出す必要があるのか」が気になっている方を想定しています。
会社設立後は、国税庁からの法人番号指定通知書をはじめ、役所や金融機関から会社あての郵便物が届き始めます。この記事では、日本郵便が案内している「会社、団体等の開業」の手続きに絞って、転居届の用紙の書き方から提出後の流れまでを順に整理します。郵便物の受け取り方の工夫は、同じカテゴリーのもう1本の記事で扱います。
会社設立後、郵便局に「開業」を知らせる手続きがある

会社設立後の手続きというと、税務署や年金事務所への届出が真っ先に思い浮かびます。ただ、その届出の控えや通知は、ほとんどが郵便で会社の本店あてに届きます。会社名あての郵便物を確実に受け取れる状態をつくることは、ほかの手続きを進めるための土台です。届出の控えや役所からの照会を見落とすと、期限のある手続きにまで影響が出ます。
日本郵便は、よくある質問のなかで「会社、団体等の転居、開業、閉業の場合の手続」を案内しています。そこでは、開業の場合は「旧住所欄以外」を記入した転居届用紙を、郵便局の窓口かポスト投函で出すよう書かれています。つまり郵便局への届出は、個人の引越しで使う転居届と同じ用紙を使って行います。
とくに自宅を本店にした場合は、その住所に住む家族の名前とは別に、新しい会社名あての郵便物が届くようになります。配達する側から見れば、知らない名前の郵便物が急に増えることになるため、登記のあと早めに会社の存在を郵便局へ伝えておくと、配達の迷いを減らせます。
この記事で扱う範囲
扱うのは、日本郵便の「転居届」を使った開業の手続きです。法令で義務づけられた届出ではなく、日本郵便のサービスとしての手続きなので、提出の期限は定められていません。
法人番号指定通知書の中身や、税務署・自治体への届出の書き方は扱いません。法人番号については法人番号の通知と確認方法で整理しています。
出典・参考:会社、団体等の転居、開業、閉業の場合の手続について教えてください | 日本郵便株式会社(日本郵便)
転居届(開業)の5点セット:提出先・期限・用紙・本人確認・提出方法

会社設立後の届出は、提出先・期限・様式・添付・提出方法の5つで整理すると迷いません。郵便局への転居届(開業)を、日本郵便の案内に沿ってこの形に当てはめると次のようになります。
届出の5点セット(提出先・期限・様式・添付書類・提出方法)
| 書類 | 1 提出先 | 2 期限(起算日) | 3 様式の正式名称 | 4 添付書類 | 5 提出方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| 転居届(会社の開業) | 郵便局の窓口(全国の郵便局で用紙を配布)。ポスト投函も可 | 期限の定めなし。提出から登録まで3〜7営業日かかるため、登記のあと早めに | 転居届(開業の場合は旧住所欄以外を記入) (2026年10月6日確認) |
提出者の本人確認資料(ポスト投函では写しを用紙の貼付欄に貼る) | 郵便局窓口に持参、または付属の専用封筒に入れて切手を貼らずにポストへ投函。e転居は開業では使えない |
ここで押さえたいのは、個人の引越しでは使えるe転居(Webサイトや郵便局アプリからの申込み)が、開業や閉業の手続きでは使えないことです。日本郵便のよくある質問に「e転居はご利用いただけません」と明記されています。会社設立後にスマートフォンで済ませようとして手が止まる人が多いので、最初から紙の用紙で準備しておきましょう。
期限がないとはいえ、日本郵便は「提出されてから登録までに3〜7営業日を要します」と案内しています。登記が完了してから通知書類が届き始めるまでの間に登録を終えておきたいので、登記を申請したら、用紙だけでも先にもらっておくと段取りがよくなります。
なお、登記の申請日(原則としてこの日が設立の日です)から登記完了までには日数がかかり、その間は登記事項証明書がまだ取れません。郵便局の転居届は登記事項証明書を求めていないため、会社の名称と本店の住所が確定していれば、登記完了を待たずに出すこともできそうに見えます。ただ、案内には登記との前後関係までは書かれていないので、登記完了前に出す場合は、窓口で一言確認してから出すと安心です。会社設立後の手続きの多くは登記完了が起点になるため、郵便局の手続きもその流れの中に組み込んでおくと、抜け漏れが起きにくくなります。
出典・参考:転居届を提出してから何日後から転送されますか? | 日本郵便株式会社(日本郵便)
用紙の書き方:開業は「旧住所」を空けて新住所側に会社名を書く

転居届の用紙は、全国の郵便局で配布されています。日本郵便のWebサイトには記入欄を拡大したイメージが載っていますが、印刷して使うことはできないと注意書きがあるため、用紙そのものは郵便局でもらってください。
- 旧住所の欄
- 開業の場合は記入しません。日本郵便の案内は「開業の場合は旧住所欄以外」を記入するよう求めています。
- 新住所の欄
- 登記した本店の所在地を書きます。ビル名や部屋番号まで、郵便物に書かれる形と同じにしておくと配達が安定します。
- 転居者の欄
- 会社の商号を書きます。会社だけを転居者にする場合の扱いは、窓口では提出者の本人確認のみで受け付けると案内されています。
- 転居届提出者氏名の欄
- 日本郵便の案内どおり、実際に用紙を出す人の氏名と住所を書きます。この人の本人確認資料が必要になるので、窓口へ行く人や写しを貼る人と一致させます。
- そのほかの欄
- 開業の届出は旧住所からの転送を頼むものではないため、書き方に迷う欄が出てきます。迷った欄は推測で埋めず、郵便局の窓口で確認してから書きましょう。
迷いやすいのは、会社名と代表者名の書き分けです。転居者の欄は会社、提出者の欄は人、と分けて考えると整理できます。会社設立後に代表者個人の郵便物も同じ住所に届く場合、個人の転居は別の手続きになるため、1枚にまとめず用紙を分けましょう。
書き損じが心配なら、窓口で記入例を見せてもらいながら書くのが確実です。ポスト投函はその場で確認してもらえないため、本人確認書類の写しの貼り忘れなど不備があると、改めての提出が必要になる場合があると日本郵便は注意しています。
出典・参考:会社、団体等の転居、開業、閉業の場合の手続について教えてください | 日本郵便株式会社(日本郵便)
本人確認資料は「誰が出すか」と「どう出すか」で変わる

郵便局に出す転居届は、郵便物を不正に横取りされないよう、提出者の本人確認を前提にしています。会社設立後のこの手続きで用意するのは、会社の書類ではなく、用紙を出す人個人の確認資料です。
提出方法ごとの本人確認(日本郵便の案内より)
| 提出方法 | 本人確認のしかた | 使える資料の例 |
|---|---|---|
| 郵便局の窓口 | 提出者の確認資料を提示。会社のみを転居者とする場合は提出者の確認のみで受付 | 運転免許証、マイナンバーカード、在留カードなど |
| ポスト投函 | 提出者の確認資料の写しを、用紙の「本人確認書類(写)貼付欄」に貼る | 運転免許証、運転経歴証明書、特別永住者証明書、在留カード、マイナンバーカード、各種健康保険証の資格確認書 |
ポスト投函でマイナンバーカードの写しを使う場合、裏面の写しは不要です。健康保険の資格確認書の写しを使うときは、保険者番号や記号・番号(二次元コードを含む)を隠してから写しを取るよう案内されています。会社設立後は書類の写しを取る場面が続くため、どの書類のどこを隠すかをここで習慣にしておくと安心です。
法人の登記事項証明書や印鑑証明書は、日本郵便の案内上、転居届の本人確認資料には挙がっていません。登記事項証明書はほかの届出で原本が必要になる場面があるので、郵便局の手続きのために通数を消費しないようにしましょう。
出典・参考:転居届をポストに投函して出すことは可能ですか? | 日本郵便株式会社(日本郵便)
窓口とポスト投函、どちらで出すかの判断

どちらで出しても、届出としての扱いは同じです。違いは、不備に気づくタイミングと手間にあります。会社設立後のほかの手続きとの兼ね合いで、出し方を選びましょう。

ポスト投函では、郵便局に置いてある転居届に付属している専用封筒に入れ、切手を貼らずに投函します。封筒を使わずに別の封筒で送る方法は案内されていないため、用紙をもらうときに封筒がそろっているかも確かめてください。
会社設立後の最初の数週間は、法務局で登記事項証明書を取り、税務署や年金事務所に書類を出すなど、外出する手続きが続きます。その道すがら郵便局に寄れば、窓口で確認を受けながら出せるので、手間はそれほど増えません。
出典・参考:どこで転居届は受理してもらえますか? | 日本郵便株式会社(日本郵便)
提出したあとに起きること:現地確認と登録までの日数

転居届を出したら終わり、ではありません。日本郵便は、受付後に転居の事実を確認する場合があると案内しており、その方法として次の3つを挙げています。
- 日本郵便株式会社の社員による現地訪問
- 転居者が不在の場合、同居人等への居住の事実の確認
- 旧住所あての確認書の送付(窓口で提出者の確認と記載内容の確認ができた場合は行わない)
自宅を本店にした会社では、訪問時に家族が応対することもあります。会社設立後に郵便局から確認が来る可能性があることを、同居の家族にも伝えておくとやり取りがスムーズです。
登録までの目安は3〜7営業日です。転居届の「お客さま控」には受付番号が記載されており、受付状況を確認できます。控えは、会社設立後の届出の控えと一緒にファイルしておきましょう。届出を出したのに郵便物が届かないときは、日本郵便は控えを手元に用意して最寄りの事業所へ連絡するよう案内しています。

出典・参考:転居・転送サービス | 日本郵便株式会社(日本郵便)
あわせて済ませたい、郵便物を受け取るための準備

郵便局への届出と同時に、会社名あての郵便物を受け取る物理的な準備もしておきます。日本郵便は、会社あての郵便物について「一般的には郵便受箱または受付などへ郵便物等の配達」をしていると案内しています。郵便受けに会社名が見えるようにしておくと、配達する人にも、同じ建物のほかの住人にも、会社がそこにあることが伝わります。
会社設立後に最初に届く公的な郵便物の一つが、国税庁の法人番号指定通知書です。国税庁法人番号公表サイトによると、設立登記をした法人には、登記上の所在地を送付先として通知書が送られます。登記した本店と実際の事務所が違う会社は、本店側で郵便物を受け取れる段取りをつけておかないと、通知書の受け取りが遅れます。
- 郵便受けに会社名(商号)を表示する。集合住宅なら部屋番号も合わせる
- 登記事項証明書と同じ表記の住所を、取引先や金融機関にも伝える
- 書留など対面で受け取る郵便物に備え、受け取る人を決めておく
- 転居届の控えと受付番号を、ほかの届出の控えと一緒に保管する
バーチャルオフィスやシェアオフィスを本店にした場合も、転居届は必要ですか。
郵便物の受け取りを運営会社が代行する契約なら、まず運営会社に、会社名あての郵便物の扱いと転居届を出すべきかを確認してください。日本郵便の案内は会社や団体の開業一般について書かれており、契約形態ごとの扱いまでは示していません。
代表者が忙しく、郵便局へ行けません。家族が代わりに出せますか。
日本郵便の案内では、転居届提出者の欄に実際に提出する人の氏名と住所を書き、その人の本人確認を行うとされています。提出者になる人が自分の本人確認資料を用意できるかを確かめ、扱いに迷うときは窓口に問い合わせてください。
会社設立後、本店を別の住所に移すことになりました。郵便局には何を出しますか。
そのときは開業ではなく転居の手続きになり、日本郵便はe転居・郵送・窓口のいずれでも手続きできると案内しています。本店の移転は登記や税務署への異動の届出も伴うため、郵便局の手続きだけで終わらせないよう注意してください。
税務署・都道府県税事務所・年金事務所などから届く郵便物は、会社設立後の届出に書いた所在地あてに届きます。それぞれの届出の期限は会社設立後の期限とスケジュールで一覧にしているので、郵便物の受け取り準備と並行して確認してください。
出典・参考:通知書について|国税庁法人番号公表サイト(国税庁)
まとめ:転居届(開業)は会社設立後の郵便の入口

郵便局への転居届(開業)は、法令で期限が決まった届出ではありません。それでも、会社設立後に届く通知や届出の控えを確実に受け取るための大事な手続きです。日本郵便の案内で確認できたポイントを並べると、次のとおりです。
- 開業の場合は、転居届用紙の旧住所欄以外を記入して出す
- 出し方は郵便局の窓口かポスト投函。開業ではe転居は使えない
- 提出者の本人確認資料が必要。ポスト投函では写しを貼る
- 登録までは3〜7営業日。現地訪問などで確認される場合がある
郵便物が本店に届くようになったら、次は届いた郵便物を見落とさない仕組みづくりです。転送の扱いや、書留・局留など受け取り方の違いは、このカテゴリーのもう1本で取り上げています。会社設立後の手続き全体の進み具合は、期限の一覧と照らし合わせながら確かめてください。用紙の様式や手続きの細かな扱いは変わることがあるため、提出の前に日本郵便のページで最新の案内を確認しましょう。
出典・参考:会社、団体等の転居、開業、閉業の場合の手続について教えてください | 日本郵便株式会社(日本郵便)
登記が終わった直後は、税金や社会保険の届出に気を取られて、郵便のことは後回しになりがちです。けれども、その届出の結果を知らせてくれるのも郵便です。用紙1枚と本人確認書類があれば済む手続きなので、法務局や税務署に出かけるついでに郵便局へ寄ってみてください。
会社名の入った郵便物が初めて本店に届いた日は、会社が動き出したことを実感できる日でもあります。会社設立後の手続きを一つずつ片づけながら、郵便受けの準備も整えておきましょう。
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押したときに送るのは記事の番号だけで、個人を特定する情報は送りません。期限や様式に迷う点は、所轄の窓口か税理士・社会保険労務士にもご確認ください。
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