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雇用保険の手続きは労働基準監督署のあと|ハローワークに出す設置届と資格取得届の順番と1日で回る段取り

  • 確認日 2026年10月6日
  • 約10分
  • 「会社設立後の手続きガイド」編集部
この記事の窓口順(目次)8項目
  1. 01雇用保険の手続きは、労働基準監督署で成立届を出してから始まる
  2. 02順番がある理由:設置届に成立届の控えを添えるから
  3. 03期限は設置届が10日、資格取得届は翌月10日
  4. 04雇用保険適用事業所設置届の5点セット
  5. 05雇用保険被保険者資格取得届の5点セット
  6. 061日で回る段取り:午前に監督署、午後にハローワーク
  7. 07電子申請や様式の作成で窓口の手間を減らす
  8. 08まとめ:雇用保険は「控えを持ってハローワークへ」

この記事は、こんな方に向けて書いています

初めて従業員を雇うことになり、ハローワークで雇用保険の手続きをしようとしたら「先に労働基準監督署へ」と言われて戸惑った方、あるいはそうならないよう事前に順番を知っておきたい方に向けた記事です。

会社設立後の雇用保険の手続きは、ハローワークだけで完結しません。この記事では厚生労働省「労働保険の成立手続」と、ハローワークインターネットサービス・東京のハローワークの案内(いずれも2026年10月6日確認)をもとに、窓口を回る順番と、それぞれの窓口で出す届出を時系列で並べます。

01雇用保険の手続きは、労働基準監督署で成立届を出してから始まる

監督署 → ハローワークの順

この記事でいう労働保険は労災保険と雇用保険をまとめた呼び方で、健康保険・厚生年金保険の社会保険とは区別します。雇用保険は労働保険の一部なので、手続きの入口は労働保険の成立から始まります。

厚生労働省の案内では、一元適用事業(多くの業種がこちら)の手続きを4つに分け、(1)保険関係成立届、(2)概算保険料申告書、(3)雇用保険適用事業所設置届、(4)雇用保険被保険者資格取得届の順に並べています。そのうえで「(1)の手続を行った後に、(3)及び(4)の手続を行います」と明記しています。つまり、ハローワークに設置届と資格取得届を出すのは、労働基準監督署に成立届を出したあとです。

東京のハローワークが公開している案内資料も、「労働基準監督署に労働保険保険関係成立届をご提出いただいた後、公共職業安定所にて手続きとなります」と書いています。会社設立後に初めて雇用保険の手続きをするなら、ハローワークへ直行せず、まず労働基準監督署へ向かうのが正しい順番です。

建設業や農林漁業などの二元適用事業は、雇用保険の分の成立届をハローワークに出すため、順番の考え方が少し変わります。区分の違いは労働保険と労働基準監督署の手続きの記事で扱っています。

出典・参考:厚生労働省:労働保険の成立手続(厚生労働省)

02順番がある理由:設置届に成立届の控えを添えるから

受理印のある事業主控えが必要

順番が決まっている実務上の理由は、ハローワークでの設置届に、労働基準監督署で受理された成立届の控えが必要になるからです。東京のハローワークの資料は、必要な書類の3番目に「労働保険保険関係成立届の事業主控(労働基準監督署受理済みのもの)」を挙げています。

成立届が受理されると、会社に労働保険番号が付きます。雇用保険の設置届はこの労働保険番号とひも付けて手続きされるため、成立届より先に設置届を出すことはできません。会社設立後に慌ててハローワークへ行き、控えがないために出直すというのは、よくある回り道です。

成立届の控えは、労働基準監督署の窓口で受理印を押してもらうものです。控え用の用紙を持たずに出すと手元に残らないので、成立届は必ず控えと一緒に提出してください。電子申請の場合は、受理の結果に労働保険番号が表示されているかを確認します。

電子申請で成立届を出した場合、e-Govのよくある質問では、審査結果が受理なのに労働保険番号が表示されないときは、到達番号と手続名を控えて労働局・労働基準監督署・ハローワークに問い合わせるよう案内されています。番号が分からないままハローワークの手続きに進むと、窓口で止まってしまいます。

会社設立後、ハローワークに先に相談だけしに行ってもよいですか。

相談自体は構いません。ただ、設置届の受付には成立届の控えが要るので、相談の日にそのまま届出まで済ませたいなら、監督署を先に回っておく必要があります。

成立届の控えをなくしてしまったらどうなりますか。

控えがないと設置届の確認に時間がかかることがあります。会社設立後の書類のなかでも再発行の手続きが分かりにくいものなので、なくした場合は成立届を出した労働基準監督署に、どう確認すればよいかを問い合わせてください。

出典・参考:雇用保険適用事業所を設置する場合の手続きについて(PDF)|東京労働局 ハローワーク(東京労働局)

03期限は設置届が10日、資格取得届は翌月10日

同じハローワークでも期限の形が違う

会社設立後の届出の多くは「設立の日」(原則として法務局が登記申請を受け付けた日。2026年2月2日からは休日を設立の日に指定できる特例あり)から数えますが、雇用保険の2つの届出は、人を雇った事実から数えます。

雇用保険適用事業所設置届は、ハローワークインターネットサービスの案内で「事業所を設置した日の翌日から起算して10日以内」とされています。ここでいう設置の日は、雇用保険の適用事業所になった日、つまり雇用保険に入る労働者を初めて雇った日です。雇用保険被保険者資格取得届は「雇用保険の資格取得年月日の属する月の翌月10日まで」です。

5月20日に初めて雇用保険の対象者を雇った例
図:5月20日に初めて雇用保険の対象者を雇った例

資格取得届の「翌月10日まで」は、雇い入れの日によって実際の長さが変わります。月の初めに雇えば40日近くありますが、月末に雇うと10日余りしかありません。会社設立後の最初の雇い入れを月末にする場合は、資格取得届の期限が設置届とほとんど変わらなくなるので、2枚を同じ日に出す前提で準備しておくと安全です。

成立届と設置届はどちらも10日以内で、しかも成立届が先です。実際には、成立届を出したその日か翌日にはハローワークへ回るくらいの気持ちで段取りしておくと安心です。窓口ごとの期限を一覧で見たいときは期限とスケジュールの一覧に戻ってください。

出典・参考:ハローワークインターネットサービス – 利用上の注意(雇用保険適用事業所設置届)(厚生労働省)

04雇用保険適用事業所設置届の5点セット

事業所を雇用保険に登録する届出

雇用保険適用事業所設置届は、会社の事業所を雇用保険の適用事業所として登録する届出です。会社につき1回だけ出します。

届出の5点セット(提出先・期限・様式・添付書類・提出方法)

書類 1 提出先 2 期限(起算日) 3 様式の正式名称 4 添付書類 5 提出方法
雇用保険適用事業所設置届 所轄の公共職業安定所(ハローワーク) 事業所を設置した日の翌日から起算して10日以内 雇用保険適用事業所設置届
(2026年10月6日確認)
営業許可証、登記事項証明書その他記載内容を確認できる書類。東京のハローワークの資料では、成立届の事業主控え(労働基準監督署受理済み)、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿等も 窓口持参、電子申請

設置届は会社の基本情報を登録する書類なので、名称や所在地は登記事項証明書と同じ表記で書きます。会社設立後に事務所を移す予定がある場合は、移転のたびに変更の届出が必要になるため、どの所在地で届出をするかを決めてから記入してください。

ハローワークインターネットサービスの記入上の注意では、1欄に法人番号、7欄に「雇用保険の適用事業所となるに至った年月日」を書き、印刷後に22欄へ最寄りの駅やバス停から事業所までの道順略図を書くよう案内されています。会社設立後に事務所を構えたばかりの会社でも、地図を手書きできるよう所在地を確かめておきましょう。14欄には事業の内容を具体的に書くよう求められているので、定款の事業目的をそのまま並べるのではなく、実際に何をしている会社かが伝わる書き方を考えておくと、窓口でのやりとりが短くなります。

添付書類の詳しい中身と、窓口で求められやすい帳簿の準備は、同じカテゴリーのハローワークの添付書類の記事で扱っています。

出典・参考:ハローワークインターネットサービス – 利用上の注意(雇用保険適用事業所設置届)(厚生労働省)

05雇用保険被保険者資格取得届の5点セット

雇った人を雇用保険に加入させる届出

雇用保険被保険者資格取得届は、雇った人を一人ずつ雇用保険の被保険者にする届出です。初めて人を雇うときは設置届と同時に出し、2人目以降は資格取得届だけを出します。

届出の5点セット(提出先・期限・様式・添付書類・提出方法)

書類 1 提出先 2 期限(起算日) 3 様式の正式名称 4 添付書類 5 提出方法
雇用保険被保険者資格取得届 所轄の公共職業安定所(ハローワーク) 資格取得年月日の属する月の翌月10日まで 雇用保険被保険者資格取得届
(2026年10月6日確認)
賃金台帳、労働者名簿、出勤簿その他記載内容を確認できる書類を持参する場合あり 窓口持参、電子申請

会社設立後に雇う人が前の勤め先で雇用保険に入っていた場合、届出の区分は「再取得」になります。記入上の注意では、過去に被保険者になったことがないか、最後に被保険者でなくなった日から7年以上たっている人は「新規」、それ以外の人は「再取得」と区分するよう示されています。採用の面談の段階で、前職の有無と退職の時期を聞いておくと記入に迷いません。

記入上の注意では、1欄に個人番号(マイナンバー)を書くこと、過去に雇用保険に入っていた人を「再取得」として届けるときは、被保険者証に書かれた被保険者番号を書くことが示されています。東京のハローワークの資料も、以前に雇用保険に加入していた人は本人に被保険者番号を確認し、分からなければ備考欄に前職の会社名を書くよう案内しています。

雇用保険に入るのは、雇った人全員ではありません。e-Gov法令検索で2026年10月6日に確認した雇用保険法第6条では、1週間の所定労働時間が20時間未満の人や、同じ事業主に継続して31日以上雇用される見込みがない人は、原則として適用しないとされています(例外あり)。会社設立後に雇う人が短時間のアルバイトだけなら、資格取得届も設置届も出さない場合があるので、雇用契約の内容を確かめてから判断してください。

期限だけを見れば資格取得届には余裕がありますが、初めての雇い入れでは設置届と同じ日に出すのが実務の流れです。会社設立後の最初の手続きで2枚をそろえて出せば、窓口に行く回数が1回で済みます。

出典・参考:ハローワークインターネットサービス – 利用上の注意(雇用保険被保険者資格取得届)(厚生労働省)

061日で回る段取り:午前に監督署、午後にハローワーク

控えを受け取ってから移動する

会社設立後に初めて人を雇ったときの労働保険と雇用保険の手続きは、準備さえ整っていれば1日で回れます。窓口の順番を流れ図にしておきます。

労働基準監督署とハローワークを1日で回る流れ
図:労働基準監督署とハローワークを1日で回る流れ
  • 管轄は会社の所在地で決まる。監督署とハローワークの管轄区域は同じとは限らない
  • 出かける前に、確認書類の範囲を所轄のハローワークに電話で確かめておく
  • 成立届の控え用の用紙を必ず用意する
  • 雇い入れから現在までの賃金台帳・出勤簿を持参できるようにしておく
  • 雇った人のマイナンバーと、前職がある人は被保険者番号を確認しておく

出典・参考:雇用保険適用事業所を設置する場合の手続きについて(PDF)|東京労働局 ハローワーク(東京労働局)

07電子申請や様式の作成で窓口の手間を減らす

設置届も資格取得届も電子申請できる

ハローワークインターネットサービスでは、設置届・資格取得届のどちらも「電子申請による届出も可能」と案内されています。e-Govのよくある質問によると、労働保険の保険関係成立届は、雇用保険・社会保険の手続きとまとめて出すグループ申請に対応しているので、監督署とハローワークの手続きをオンラインでまとめることもできます。

紙で出す場合も、ハローワークインターネットサービスの帳票一覧で内容を入力してから印刷できます。ただし印刷物は光学式文字読取装置(OCR)で読み取るため、A4の白色用紙に等倍(倍率100%)で印刷すること、かすれや二重印刷がないことなど、印刷時の注意が細かく決められています。等倍以外で印刷すると窓口で受理できないと明記されているので、家庭用プリンターで印刷するときは設定を確かめてください。

書類の作成や提出を外部に任せる場合は、社会保険・労働保険の手続きを業務とする社会保険労務士に依頼します。会社設立後に人を雇うたびに手続きが発生するので、自分で続けるか任せるかを、最初の1回を終えた段階で考えておくとよいでしょう。

出典・参考:ハローワークインターネットサービス – 帳票一覧(厚生労働省)

08まとめ:雇用保険は「控えを持ってハローワークへ」

順番を守れば1回で終わる

会社設立後に初めて人を雇ったときの雇用保険の手続きは、労働基準監督署で保険関係成立届を出し、その控えを持ってハローワークで設置届と資格取得届を出す、という順番で進みます。期限は設置届が設置の日の翌日から起算して10日以内、資格取得届が資格取得日の属する月の翌月10日までです。

  • 一元適用事業は「監督署が先、ハローワークが後」
  • 設置届には受理済みの成立届の事業主控えを添える
  • 資格取得届はマイナンバーの記載が必要。再取得の人は被保険者番号も
  • 電子申請やハローワークのサイトでの様式作成も使える

ハローワークから後日届く書類のうち、従業員本人に渡すものがある場合は、受け取ったらすぐに本人へ渡し、会社側の控えと分けて保管しておきます。次に人を雇うときに会社の事業所番号を記入する場面があるので、番号が書かれた書類はすぐ取り出せる場所に置いておきましょう。

会社設立後の手続きは窓口ごとに分かれているように見えて、労働保険と雇用保険の部分は一本の流れでつながっています。最初の雇い入れで一度この流れを通っておけば、2人目以降は資格取得届だけで済むため、手続きの負担はぐっと軽くなります。

会社設立後に事業所を増やしたときや、所在地を移したときは、雇用保険でも別の届出が必要になります。最初の設置届の控えは、そうした変更の手続きでも参照するので、成立届の控えと一緒に保管しておいてください。

確認書類の範囲は所轄のハローワークによって案内が異なることがあります。出かける前に電話で確かめ、最新の様式と案内をハローワークインターネットサービスで確認してから手続きに進んでください。

出典・参考:ハローワークインターネットサービス – 申請等をご利用の方へ(厚生労働省)

最後に、これを読んでいるあなたへ

雇用保険の手続きでつまずく人の多くは、書類の書き方ではなく、窓口を回る順番でつまずいています。監督署で控えを受け取ってからハローワークへ、という一本の線を引いておけば、それだけで手続きの半分は片づいたようなものです。

新しく迎える従業員にとっても、雇用保険の加入は働き始めの安心につながります。会社設立後の最初の雇い入れを気持ちよく迎えられるよう、雇い入れの日が決まったら、その日のうちに管轄の窓口を調べておいてください。

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