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会社設立後にe-Taxを使い始める手順|開始届出書・利用者識別番号・代表者の電子証明書・ダイレクト納付

  • 確認日 2026年10月6日
  • 約10分
  • 「会社設立後の手続きガイド」編集部
この記事の窓口順(目次)8項目
  1. 窓口 01会社設立後の届出は、e-Taxでも出せる
  2. 窓口 02電子申告・納税等開始届出書(法人用)を5点セットで確認
  3. 窓口 03利用者識別番号と暗証番号:取得と管理の注意点
  4. 窓口 04電子証明書:法人は「代表者の電子証明書」で署名する
  5. 窓口 05法人設立ワンストップサービスなら、開始届出もまとめて出せる
  6. 窓口 06納税も電子で:ダイレクト納付の届出
  7. 窓口 07電子申告が義務の法人と、税理士に任せる場合
  8. 窓口 08まとめ:番号・証明書・口座の3つをそろえればe-Taxは動く
この記事を読んでほしい方

会社設立後の税務署への届出を、窓口や郵送ではなくe-Taxで済ませたいと考えている代表者の方に向けた記事です。「利用者識別番号とは何か」「法人の電子署名は誰のものを使うのか」で手が止まっている方を想定しています。

この記事では、国税の電子申告システムであるe-Taxを、法人として使い始めるまでの手続きを扱います。都道府県・市区町村の地方税で使うeLTAXの利用届出と、2つの使い分けは、同じカテゴリーのもう1本で整理しています。申告書そのものの作り方は扱いません。

窓口 01会社設立後の届出は、e-Taxでも出せる

税務署への届出をオンラインで送る

e-Tax(国税電子申告・納税システム)は、国税の申告・申請・届出と納税をインターネットで行う仕組みです。会社設立後に税務署へ出す法人設立届出書について、国税庁の手続き案内は提出方法として「e-Taxソフトで届出書を作成・提出してください」と書き、書面の場合は持参または送付としています。青色申告の承認申請書や給与支払事務所等の開設届出書も同じ扱いです。

e-Taxを使うと、税務署の窓口の受付時間に合わせる必要がなくなります。国税庁は2026年10月1日から、全ての税務署で総合窓口の受付時間を原則として午前9時から午後3時までとしています。会社設立後の届出をいくつも出す時期に、窓口へ何度も足を運ばずに済むのは大きな利点です。

ただし、e-Taxは申し込めばすぐ使えるものではありません。法人として使うには、利用者識別番号の取得と、電子署名に使う電子証明書の準備が必要です。この記事では、その準備を順番に見ていきます。

準備の手続きは、大きく分けて「番号を取る」「証明書を用意する」「ソフトを選ぶ」の3つです。会社設立後の届出の期限が迫っているときに一度にそろえようとすると慌てるので、登記が完了したら早めに番号の取得から始めるのがおすすめです。

法人がe-Taxを使い始めるまでの流れ
図:法人がe-Taxを使い始めるまでの流れ

出典・参考:C1-4 内国普通法人等の設立の届出|国税庁(国税庁)

窓口 02電子申告・納税等開始届出書(法人用)を5点セットで確認

最初の一歩は「開始届出書」

e-Taxを使うための手続きが、電子申告・納税等開始届出書の提出です。国税庁の「H3-1 電子申告・納税等開始(変更等)の届出」の案内を、会社設立後の届出の型である5点セットに当てはめると次のようになります。

届出の5点セット(提出先・期限・様式・添付書類・提出方法)

書類 1 提出先 2 期限(起算日) 3 様式の正式名称 4 添付書類 5 提出方法
電子申告・納税等開始届出書(法人用) 納税地の所轄税務署長(法人は法人税の納税地。本店なら法人税の納税地) e-Taxで申告、申請・届出、納税等を行おうとする前(通知書が送付される場合があるため余裕をもって) 電子申告・納税等開始届出書(法人用)
(2026年10月6日確認)
国税庁の案内に添付書類の記載なし e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーからオンラインで提出(「開始届出(法人の方用)新規」)。書面は1通(調査課所管法人は2通)

オンラインで出すと、利用者識別番号と暗証番号がその場で通知されます。書面で出した場合は、後日、税務署から通知書が郵送で届きます。会社設立後のほかの届出をe-Taxで出したいなら、オンラインでの提出が早道です。

期限の定めはありませんが、e-Taxで最初に出したい届出の期限から逆算して準備しましょう。法人設立届出書は設立の日以後2か月以内、青色申告の承認申請書は設立の日以後3か月を経過した日と第1期終了の日のいずれか早い日の前日までです。設立の日は原則として登記申請日で、登記完了日ではありません。期限の一覧は会社設立後の期限とスケジュールで確認できます。

出典・参考:H3-1 電子申告・納税等開始(変更等)の届出|国税庁(国税庁)

窓口 03利用者識別番号と暗証番号:取得と管理の注意点

半角16桁の番号と、8〜50文字の暗証番号

e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーの案内によると、利用者識別番号はe-Taxを使うために必要な半角16桁の番号で、暗証番号は取得や更新の際に登録する半角英数字8文字以上50文字以内のものです。どちらもe-Taxにログインするときの本人認証に欠かせないため、利用者本人の責任で管理するよう求められています。

  • すでに利用者識別番号を取得している会社が、もう一度開始届出書を出すと、これまでe-Taxで提出した内容を確認できなくなる
  • 番号や暗証番号を忘れたときは、開始届出書ではなく変更等届出書を出す
  • 税理士が関与先の開始届出書をオンラインで出した場合、通知は税理士と会社の双方のメッセージボックスに格納される

会社設立後は、税理士に依頼する前に自分で番号を取っていた、あるいは法人設立ワンストップサービスで取得していた、ということもあります。新たに開始届出書を出す前に、社内ですでに番号を持っていないかを必ず確かめてください。

番号と暗証番号は、会社の印鑑と同じくらい大切な情報です。代表者だけが知っている状態は避けたいものの、誰でも見られる場所に置くのも危険です。会社設立後の早い段階で、保管場所と知っている人を決めておきましょう。

開始届出書のオンライン提出に、電子証明書は必要ですか。
e-Taxの案内では、作成・提出コーナーから開始届出書を作成・送信すると、即時に利用者識別番号と暗証番号が通知されるとされています。電子証明書は、その後に申告や届出のデータへ電子署名をする手続きで必要になります。会社設立後の届出を送る前に、両方がそろっているかを確認してください。
支店でもe-Taxを使いたい場合、手続きは別ですか。
国税庁の資料では、支店・営業所等の申告書をe-Taxで出す場合は、支店・営業所等ごとに利用者識別番号を取得するとされています。会社設立後すぐに支店を置く会社は少ないものの、拠点が増えたときの手続きとして覚えておきましょう。
番号を取ったあと、会社の住所や代表者が変わったら。
届出の内容を変える手続きは、変更等届出書で行います。e-Taxの作成・提出コーナーからオンラインで出すこともでき、書面でも提出できます。

出典・参考:e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーについて | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)(国税庁)

窓口 04電子証明書:法人は「代表者の電子証明書」で署名する

商業登記電子証明書か、代表者のマイナンバーカード

e-Taxで申告や届出のデータを送るときは、作成者本人が作り、改ざんされていないことを示すために電子署名を付けます。そのために事前に電子証明書を取得しておく必要があります。

大阪国税局がe-Taxの利用方法を説明した資料は、使える電子証明書として、商業登記電子証明書、民間認証局等が発行する電子証明書、マイナンバーカードに組み込まれている電子証明書を挙げています。誰の電子証明書が使えるかについては、本人(法人の場合は法人代表者)の電子証明書、代理人(事務代理人)の電子証明書、法人の場合は代表者から電子委任状による委任を受けた使用人等の電子証明書としています。

商業登記電子証明書は、法務省の商業登記認証局が発行するもので、申請受付や発行は、法人の登記を管轄する登記所のうち指定を受けた登記所で行われています。法務省は2025年4月に発行手数料を引き下げており、証明期間に応じて手数料が決まっています(法務省:商業登記電子証明書)。

商業登記電子証明書の発行手数料(証明期間別の一部)
図:商業登記電子証明書の発行手数料(証明期間別の一部)

代表者のマイナンバーカードを使う場合は、署名用電子証明書のパスワード(英数字6文字以上16文字以下)が必要です。ICカードリーダライタのほか、読み取りに対応したスマートフォンを代わりに使うこともできるとe-Taxは案内しています。

出典・参考:e-Taxのご利用方法(PDF)|大阪国税局(国税庁(大阪国税局))

窓口 05法人設立ワンストップサービスなら、開始届出もまとめて出せる

マイナポータルで設立後の届出を一度に

国税庁は、法人設立ワンストップサービスについて、マイナポータルという一つのオンラインサービスで、法人設立後に必要な行政手続きを一度で行えると案内しています。対象には国税・地方税の設立届のほか、年金事務所やハローワークへの雇用に関する届出も含まれます。

国税庁が挙げる「利用可能な国税関連手続一覧」には、給与支払事務所等の開設届出や源泉所得税の納期の特例の承認申請と並んで、電子申告・納税等開始届出が入っています。会社設立後の届出をワンストップサービスでまとめて出すなら、その流れのなかでe-Taxの開始届出も済ませられます。

利用には、法人代表者のマイナンバーカードと、マイナンバーカードに対応したスマートフォンまたはパソコン(パソコンならICカードリーダライタ)が必要です。国税庁は「必ず法人代表者のマイナンバーカードを利用してください」と注意しており、代表者以外から提出された届出書等については、税務署から後日問い合わせることがあるとしています。

ワンストップサービスで国税関係の手続きをe-Taxの受付時間外に提出した場合、翌稼働日に提出されたことになると国税庁は案内しています。期限の最終日に出すときは、受付時間を必ず確認してください。

出典・参考:法人設立ワンストップサービスの対象が全ての手続に拡大されました|国税庁(国税庁)

窓口 06納税も電子で:ダイレクト納付の届出

登録した口座から、e-Taxの操作で納付する

e-Taxで申告や届出ができるようになったら、納税の方法も考えておきます。e-Taxのよくある質問によると、ダイレクト納付は、事前に税務署へ届出をしておけば、e-Taxで電子申告等をした後に、簡単な操作で届出をした預貯金口座から即時または指定した期日に電子納付できる手続きです。

届出の5点セット(提出先・期限・様式・添付書類・提出方法)

書類 1 提出先 2 期限(起算日) 3 様式の正式名称 4 添付書類 5 提出方法
ダイレクト納付利用届出書 納税地等を所轄する税務署 期限の定めなし。利用可能まで書面で1か月程度、e-Taxで1週間程度 ダイレクト納付利用届出書(国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書)
(2026年10月6日確認)
e-Taxの利用開始手続(利用者識別番号・電子証明書)と、対応する金融機関の口座が前提 国税庁ホームページまたは税務署窓口で様式を入手し、税務署へ提出(e-Taxでの提出も可)

ダイレクト納付に手数料はかかりません。一方で、領収証書は発行されないため、領収証書が必要な場合は納付書で金融機関や税務署の窓口で納付することになります。期日を指定する場合、土日祝日や年末年始などの休日は指定できません。

役員報酬や給与を払い始めると、源泉所得税の納付が定期的に発生します。e-Taxのよくある質問も、ダイレクト納付は源泉所得税の毎月の納付など利用回数の多い手続きに便利だとしています。最初の給与の支払いに間に合うよう、法人口座ができたら早めに届出を済ませておきましょう。口座開設の時期は法人口座の開設タイミングで扱っています。

出典・参考:ダイレクト納付を利用するために準備することはありますか。| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)(国税庁(e-Tax))

窓口 07電子申告が義務の法人と、税理士に任せる場合

資本金1億円超の法人は電子申告が義務

e-Taxでの申告が義務になっている法人もあります。e-Taxの「大法人の電子申告の義務化について」によると、内国法人のうち、事業年度開始の時において資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人などが対象です。会社設立後の多くの小規模な会社はこれにあたらず、e-Taxと書面のどちらで出すかを選べます(2026年10月6日確認)。

税理士に申告を任せる場合は、税理士がe-Taxで代理送信する方法があり、e-Taxの案内には開始届出書を関与税理士に代理送信してもらうことも可能と書かれています。e-Taxの案内では、税理士等が関与先の開始届出書を、e-Taxソフトや国税庁の仕様公開に基づき作成された会計ソフトでオンライン提出した場合、利用者識別番号等の通知は税理士等と関与先の双方のメッセージボックスに格納されるとしています。

税理士に任せる場合でも、会社の利用者識別番号と暗証番号は会社のものです。メッセージボックスには税務署からのお知らせが届くことがあるため、会社としても中身を確認できる状態にしておきましょう。税務書類の作成と税務相談は税理士の業務なので、どこまでを任せるかは代行は誰に頼む?税理士・社労士の範囲を参考に決めてください。

自分でe-Taxを使う場合は、会社設立後の届出のうち、まず法人設立届出書や青色申告の承認申請書など期限のはっきりしたものから試してみると、操作に慣れやすくなります。

出典・参考:大法人の電子申告の義務化について| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)(国税庁(e-Tax))

窓口 08まとめ:番号・証明書・口座の3つをそろえればe-Taxは動く

開始届出書、代表者の電子証明書、ダイレクト納付

会社設立後にe-Taxを使い始めるための手続きを振り返ります。

  • 電子申告・納税等開始届出書(法人用)を出し、利用者識別番号を取得する。オンラインなら即時に通知
  • 番号を持っているのに開始届出書を出し直さない。忘れたら変更等届出書
  • 電子署名は法人代表者の電子証明書(商業登記電子証明書、マイナンバーカードなど)
  • 法人設立ワンストップサービスなら、開始届出もまとめて出せる
  • 納税はダイレクト納付。届出から利用開始まで書面で1か月程度

地方税の申告や届出は、e-Taxではなく地方税共同機構のeLTAXで行います。eLTAXの利用届出と、e-Taxとの使い分けは同じカテゴリーのもう1本で扱っています。e-Taxの画面や手順は更新されることがあるため、操作の前にe-Taxホームページの最新の案内を確認してください。

出典・参考:ご利用の流れ | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)(国税庁)

最後に、これを読んでいるあなたへ

e-Taxの準備は、最初の一度だけ少し手間がかかります。けれども、番号と電子証明書がそろえば、会社設立後の届出も、毎年の申告も、毎月の納付も、事務所から送れるようになります。

まずは社内にすでに利用者識別番号がないかを確かめ、なければ開始届出書の作成コーナーを開いてみてください。窓口の受付時間を気にせずに手続きを進められる環境は、設立直後の忙しい時期にこそ役に立ちます。

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