都道府県・市区町村の法人設立届の調べ方|期限15日〜2か月・起算日が違う自治体の決まりを確かめる手順
この記事の窓口順(目次)9項目
この記事は、こんな方に向けて書いています
税務署への法人設立届出書は出し終えた、または準備ができた。ところが「都道府県と市区町村にも届出が要る」と聞き、どこに何をいつまでに出せばよいのか調べ始めた方に向けた記事です。
地方税の届出は、全国で同じ様式・同じ期限ではありません。この記事では答えを一つに決めつけず、2026年10月6日に各自治体の公式ページで確認した6つの例を手がかりに、自分の会社の本店がある自治体の決まりを調べる手順を説明します。
会社設立後、税務署とは別に自治体へ出す法人設立届がある

会社設立後に税務署へ出す法人設立届出書は、国税(法人税など)のための届出です。会社には国税のほかに、都道府県に納める法人事業税・法人都道府県民税と、市区町村に納める法人市町村民税があり、これらを扱う自治体にも会社ができたことを知らせる届出が必要です。
たとえば大阪府は、府内で法人を設立した場合、府税事務所に「法人設立等申告書」を出すよう案内しています。名古屋市のFAQは、法人市民税の届出とは別に、税務署(法人税)と県税事務所(法人県民税・事業税)の届出がそれぞれ必要だと明記しています。会社設立後の届出は、国・都道府県・市区町村の3か所に分かれるのが基本形です。
厄介なのは、この自治体向けの届出の決まりが自治体ごとに違うことです。様式の名前も、期限も、期限を数え始める日も、添付書類もそろっていません。そのため「法人設立届は2か月以内」のように全国一律で覚えると、自治体によっては期限を過ぎてしまいます。
この記事の言葉の使い方
「設立の日」は、原則として法務局が設立登記の申請を受け付けた日です(2026年2月2日からは休日を設立の日に指定できる特例があります)。
「事業開始日」は、実際に事業を始めた日です。自治体によっては、この事業開始日を期限の起点にしています。2つを混ぜないように読み進めてください。
出典・参考:法人を設立したときや名古屋市内に事務所等を新設・廃止したときの届出について知りたい。 【法人市民税】(FAQ)|名古屋おしえてダイヤル(名古屋市)
6つの自治体を比べると、期限は15日から2か月まで開きがある

どれくらい違うのかを、2026年10月6日に各自治体の公式ページで確認した内容で比べてみます。会社設立後の手続きを調べる前に、この差を知っておくと「自分の自治体を必ず確かめる」理由が腑に落ちるはずです。
自治体ごとの法人設立届の違い(各公式ページで2026年10月6日確認)
| 自治体 | 様式の名称 | 期限と起算日 | 添付書類 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 法人設立・設置届出書 | 事業を開始した日から15日以内 | 定款・寄附行為・規約等の写し |
| 大阪府 | 法人設立等申告書(府税規則様式第28号) | 法人を設立した日から2か月以内 | 登記事項証明書(写し)、定款(写し) |
| 大阪市 | 法人設立・事務所等開設申告書 | 設立または開設の日から2月以内 | 登記事項証明書、定款等、株主(社員)または出資者の名簿(写し可) |
| 神奈川県 | 法人設立・開設届出書 | 事業を開始した日から2か月以内 | (県のQ&Aでは期限と提出先を案内) |
| 横浜市 | 法人設立・開設届出書(第1号様式) | (市のQ&Aに期限の記載なし) | 定款のコピー、登記事項証明書(コピー可) |
| 名古屋市 | 法人の設立・事務所事業所新設廃止申告書 | 設立または新設することとなった日から30日以内 | 定款等の写し、登記事項証明書(写し)、その他参考資料 |
期限だけを見ても、東京都の15日から大阪府などの2か月まで4倍の差があります。さらに、起算日が「事業を開始した日」の自治体と「設立の日」の自治体があり、添付書類も、定款の写しだけで足りる自治体から株主名簿まで求める自治体まで幅があります。
横浜市のように、確認したページに期限が書かれていない場合もあります。そうしたときは、様式の手引きを開くか、担当課に問い合わせて確かめます。会社設立後の手続きでは、分からない点を推測で埋めないことが大切です。
出典・参考:事業を始めたとき・廃止したとき|シーンから調べる|東京都主税局(東京都主税局)
手順1:本店がどの都道府県・市区町村にあるかを確かめる

調べ方の最初の手順は、届出を出す自治体を特定することです。会社設立後に取った登記事項証明書の「本店」の欄を見て、都道府県と市区町村を書き出してください。
次に、その都道府県のどの税事務所が本店を担当しているかを確認する手続きに移ります。都道府県税事務所は県内に複数あり、市区町村ごとに担当が分かれているのが一般的です。東京都主税局は「所管の都税事務所の確認」のページを用意しており、大阪府も「法人の事務所の所在地を担当する府税事務所」に出すよう案内しています。
市区町村側は、市役所の税務担当課が窓口になるのが基本ですが、大きな市では担当部署が一か所に集約されていることがあります。横浜市は総務局法人課税課法人市民税担当、名古屋市は栄市税事務所法人課税課が提出先と案内されています。区役所に出すものと思い込まず、市の公式ページで提出先を確かめてください。会社設立後の手続きでは、提出先を取り違えると出し直しの手続きが必要になり、期限の短い自治体では時間の余裕がなくなります。
注意:東京23区に本店がある会社は、市区町村の届出の扱いが他の地域と違います。主税局は、23区内の法人は市町村民税相当分もあわせて都民税として都税事務所に申告して納めると案内しています。詳しい提出先の組み合わせは、同じカテゴリーの本店所在地で変わる提出先のパターンで整理しています。
出典・参考:法人事業税・法人都民税|仕事と税金|東京都主税局(東京都主税局)
手順2:自治体の公式ページで5つの項目を読み取る

提出先の自治体が分かったら、その自治体の公式ページで法人設立の届出の案内を探します。都道府県なら「法人事業税」「法人県民税」の案内やQ&A、市区町村なら「法人市民税」の案内に載っていることが多く、名称が「届出書」ではなく「申告書」になっている自治体もあります。
検索の言葉を工夫する
自治体名に「法人設立」「法人設立届」「法人設立 申告書」「事業開始」などを組み合わせて検索します。税目名(法人事業税、法人市民税)で探すと見つかりやすくなります。
FAQと様式ページの両方を見る
大阪府や名古屋市のように、FAQに期限と添付書類がまとまっている自治体があります。横浜市のように様式ページと案内ページが分かれていることもあります。
5つの項目を書き出す
様式の正式名称、期限、期限を数え始める日、添付書類(原本か写しか)、提出先と提出方法の5つをメモします。
確認日を書き添える
様式や期限は改正されるので、メモには確認した日付も書きます。
書き出す5つの項目は、このサイトが届出ごとに使っている5点セットと同じ並びです。会社設立後の手続きを同じ型で整理しておくと、税務署や年金事務所の届出と並べたときに抜けが見つけやすくなります。
出典・参考:大阪府内で法人を設立しましたが、法人府民税・事業税に関する届出は必要ですか。/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government](大阪府)
手順3:期限は「何の日から数えるか」まで読む

期限の欄を読むときは、日数だけでなく、何の日から数えるかまで確認する手順が欠かせません。確認した6つの自治体でも、起算日は次の3通りに分かれていました。

事業を開始した日を起点にする自治体では、設立の日と事業開始日が離れていれば、期限の最終日も後ろにずれます。反対に、設立と同時に営業を始めた会社なら、設立の日から15日ほどで期限が来ることになります。会社設立後の手続きのなかでも、東京都の15日は短い部類に入ります。
自分の会社の事業開始日をいつとするかは、税務署に出す法人設立届出書の「事業開始(見込み)年月日」の欄とそろえておくと、説明が食い違いません。期限の数え方を他の届出と並べて確認したいときは、会社設立後の期限とスケジュールの一覧が役に立ちます。
出典・参考:県税Q&A 法人県民税・事業税 – 神奈川県ホームページ(神奈川県)
手順4:添付書類は「要るか」「原本か写しか」を分けて確認

最後の手順は添付書類の確認です。会社設立後の届出では、登記事項証明書を何通取るかを先に決めておくと法務局に何度も行かずに済みますが、自治体向けの届出はその通数の見積もりを狂わせやすいところです。

東京都主税局の案内は、必要書類として法人設立・設置届出書と定款・寄附行為・規約等の写しを挙げており、東京都への提出用紙は「その2(都税事務所・支所提出用)」のみとしています。一方、大阪府は登記事項証明書(写し)と定款(写し)、大阪市はそれに加えて株主(社員)または出資者の名簿を求めています。
登記事項証明書の原本が必要になるのは、会社設立後の手続きのなかでは年金事務所の新規適用届など一部です。通数の数え方は登記事項証明書・印鑑証明書は何通必要かで整理しています。
出典・参考:大阪市:法人設立、異動等の届出 (…>税>各種証明書・申請書・申告書等ダウンロード)(大阪市)
調べた結果を5点セットにまとめる(東京都と大阪府の例)

4つの手順で調べた内容は、次のような5点セットにまとめておくと便利です。ここでは東京都と大阪府の例を、それぞれの公式ページで確認した内容で埋めました。自分の自治体も同じ型で書き出してみてください。
届出の5点セット(提出先・期限・様式・添付書類・提出方法)
| 書類 | 1 提出先 | 2 期限(起算日) | 3 様式の正式名称 | 4 添付書類 | 5 提出方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都(都税事務所) | 所管の都税事務所(都税支所)・支庁 | 事業を開始した日から15日以内 | 法人設立・設置届出書(提出用紙は「その2(都税事務所・支所提出用)」のみ) (2026年10月6日確認) |
定款・寄附行為・規約等の写し | 所管の都税事務所等へ提出(持参・郵送の扱いは所管の都税事務所に確認)。法人設立ワンストップサービスでも国税・地方税の設立届をまとめて出せる(国税庁の案内) |
| 大阪府(府税事務所) | 法人の事務所の所在地を担当する府税事務所 | 法人を設立した日から2か月以内 | 法人設立等申告書(府税規則様式第28号) (2026年10月6日確認) |
登記事項証明書(写し)、定款(写し) | 窓口・郵送のほか、eLTAXでの電子申告も可 |
市区町村の分も同じように1行ずつ書き足せば、会社設立後に自治体へ出す届出の一覧ができあがります。表にしておけば、提出の当日に添付書類を取り違える心配も減ります。税務署・年金事務所の手続きと同じ表に並べておくと、会社設立後に出す届出の全体を一枚で見渡せるようになり、どの手続きが済んでいてどれが残っているかもひと目で分かります。
出典・参考:法人府民税・事業税の法人設立等申告書/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government](大阪府)
ページで分からないときは、担当窓口に電話で確かめる

公式ページを読んでも分からない点が残ったら、所管の税事務所や市の担当課に電話で確かめるのが確実です。会社設立後の手続きは窓口ごとに扱いが違うので、推測で進めるより、一本の電話で済ませたほうが結果的に早く終わります。
問い合わせの手続きをスムーズにするには、先に聞くことを決めておきます。会社名と本店所在地、設立の日、事業開始日を手元に用意し、次のような点を順に確認しましょう。
- 期限はどの日から数えますか。
- 設立の日か、事業を開始した日か、事務所を設けた日かを聞きます。自分の会社の日付を伝えて、最終日を一緒に確かめてもらうと間違いがありません。
- 添付書類は原本ですか、写しでよいですか。
- 登記事項証明書と定款について、それぞれ写しでよいか、何部必要かを確認します。株主名簿など、ほかに求められる書類がないかも聞いておきます。
- 郵送やeLTAXで出せますか。
- 窓口に行かずに済ませたい場合は、郵送の宛先と、eLTAXなど電子での提出に対応しているかを確認します。控えの返送を希望するときの方法も聞いておくと安心です。
聞いた内容は、担当部署の名前と日付と一緒にメモしておきます。会社設立後の届出の控えと一緒に保管しておけば、後から「誰にいつ確認したか」をたどれます。複数の自治体に出す会社ほど、この記録が手続きの整理に役立ちます。
出典・参考:法人市民税のQ&A:「事務所を新設・廃止した場合」や「法人名や決算期が変更した場合」|名古屋市公式ウェブサイト(名古屋市)
まとめ:会社設立後の自治体への届出は「調べる手順」を持っておく

都道府県税事務所と市区町村への法人設立届は、会社設立後の届出のなかでいちばん「全国共通の答え」がない手続きです。だからこそ、答えを覚えるより、調べる手順を持っておくほうが確実です。
- 登記事項証明書で本店の都道府県・市区町村を確かめ、所管の税事務所と市の担当課を特定する
- 公式ページで、様式名・期限・起算日・添付書類・提出方法の5項目を書き出す
- 期限は「設立の日から」か「事業を開始した日から」かまで読む
- 添付書類は、要るかどうかと、原本か写しかを分けて確認する
この記事の6つの例は、2026年10月6日に各自治体の公式ページで確認したものです。様式や期限は改正されることがあるので、提出の前に必ず自分の自治体の最新の案内を開き、分からない点は所管の税事務所や市の担当課に電話で確かめてください。
出典・参考:法人市民税に関するよくあるご質問 横浜市(横浜市)
最後に、これを読んでいるあなたへ
自治体の届出は、調べる前は複雑に見えますが、公式ページの案内を一度読めば、書く内容は税務署の法人設立届出書とほとんど重なります。最初の1つを丁寧に調べれば、2つ目からはずっと早く進みます。
会社設立後の手続きは、期限の短いものから順に片づけるのが鉄則です。自分の自治体の期限が15日なのか2か月なのかを今日のうちに確かめて、カレンダーに書き込むところから始めてみてください。調べた結果をメモに残しておけば、支店を出すときや本店を移すときにも、同じ手順でもう一度調べ直せます。
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